起業は会計が救う

起業する人(している人)に向けた会計や税務のアドバイス。

社会保険料の額を従業員に伝える事で、会社負担は最小限に抑えられる

大きな会社では問題にならないのですが、起業したての小さな会社だと、

従業員の社会保険料を払うのが嫌だ

とおっしゃる社長が少なくありません。

 

しかし、やりようによっては、実質、会社の追加負担はゼロに出来るのです(少し大げさに書いてます)。

 
まず、社会保険料に関する前提を確認しておきます。

・会社が負担する分は、全額、経費で落とせます
・ほぼ半額は、従業員持ちです(全額、会社が払うわけではありません!)
・そもそも、一定条件に該当すると、強制で加入させられます
・従業員の福利厚生アップにはなります(年金アップ、健保からの支給アップの可能性など)

で、従業員の側が入りたくない、と言っている場合はちょっと面倒なのですが(その場合、従業員の言い分は、だいたい正しい)、

従業員が入って欲しい、

と言っているにも関わらず、

社長が入りたくない、

と言っている場合は、以下で書いてある事が役立つと思います。

社会保険に入るのを嫌がる社長は、だいたい、

社会保険に入ると、会社の負担が増えるから嫌だ

という意見です。

 

でも、これ、ちょっと間違いなんですよね。

確かに、社会保険に入ると、会社の支出は増えます。

ですが、実は、この問題とは別に、人件費が増えている会社は本当に多いです。

そういうご時世ですからね。

であれば、

従業員に、社会保険料に入る事で、会社は、貴方に来月から○万円、追加で払うから

と、うまく伝えて下さい。

もちろん、それに伴う従業員側のメリットも大いにかたって下さい。

で、それとセットで、従業員側からの、給与アップの圧力はかわす(避ける)ようにして下さい。

大きな声では言えませんが、賞与額も、その分、少しおさえられれば、さらにベストです。

 

うまく出来れば、

従業員の満足度がアップしつつ、他の人件費支出を抑えることで、社会保険料の加入による追加支出は、ほぼゼロ

という事が実現可能です。

 

給与も賞与も社会保険(の会社負担分)も全て人件費です。

会社が負担しているのですから、堂々と、従業員に主張しましょう。

そして、従業員に満足して貰いましょう。

従業員に直接払う金額じゃないから、という考え方は損です。

 

ちなみに、社会保険料の適用拡大、という流れがありまして、大きめの会社では、従来より広い範囲の従業員を社会保険に加入させないといけなくなりました。

この流れは拡大の方向なので、今後、小さな会社でも、加入しないといけない範囲は広がっていくと思われます。

具体的には、社会保険料の適用拡大に伴い、常時501人以上雇用する事業主は、週20時間以上働く従業員を加入させる義務が発生しています。詳しくは、以下。
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2017/20170315.files/02.pdf